本コラムは「美容」による介護予防や社会参加、自立支援についての取り組みにかかわるトピックをお伝えしていきます。

内閣府の高齢社会白書によると、2035年には日本の3人に1人が65歳以上の時代がやってくると言われており、美容室を利用したいと考えている高齢者は全体の92%¹もいらっしゃるとのことです。確かに、近頃では60歳台で「おばあちゃん」とは呼びづらい程若々しく、おしゃれなご婦人をよくお見かけするようになりました。ただ、残念なのが美容室のシニア世代への対応について。取り組み中は全体のわずか12%、取り組む意思あり32%、取り組む予定なしと答えた美容室がなんと56%という現実。²日本が高齢化していることはみんな知っていても取り組みに関してはまだまだ先の事のように遅れているのが現状です。

 “化粧セラピー”“買い物セラピー”という言葉をご存じですか?読んで字のごとく、お化粧や買い物をして癒され、元気な活力を得る。まさしく“美”には心身の健康に作用する「健康の元」がたくさん含まれています。見た目の美しさだけでなく、心を健康に保つ美活をサポートする施設のニーズがますます高まっていく兆しの中、一般社団法人ソーシャルケアビューティーでは様々なステイクホルダーと共に地域に根差したサポートができる団体としての活動をしてまいります。

¹ホットペッパービューティーアカデミー「訪問美容調査(シニア世代)(65~74歳、女性、現在美容室利用ありの方n=1,030)2017年10月

²ホットペッパービューティーアカデミー「顧客調査」(n=2,547)2017年3月