長寿社会により、今までになかったマナーやサービスが当たり前になりつつあります。

みなさんは「介護美容脱毛」という言葉を聞いたことがありますか?

脱毛といえば、ワキや、腕や足、顔など、美容目的のものという認識が強いと思います。

介護美容脱毛とは、デリケートゾーンの脱毛のこと。

背景には、自分が介護を受ける際に介護しやすくする目的と、衛生を保つ目的があります。

施術を受ける年齢は40代、50代が増えつつあるとのこと。

なぜ、この年代なのかというと、

レーザーで行う脱毛は、毛母細胞の黒い色素(メラニン)に反応して、その細胞を焼き切ることで、毛が生えてこないようにするメカニズム。従って、白い部分、“白髪”には反応せず、そこの部分だけ残ってしまう。

では、残った白髪はどのように脱毛するのか?

こちらの場合は、ニードル脱毛といって医師が針で1本ずつ焼く方法しかなく、時間も費用もかかるうえ、痛みを伴う。デリケートゾーンに白い毛がまだない、もしくは、少ししかないうちに手軽に施術を受けておこうという考えからである。

要介護になる人口は年々増加しており、同時に、40代、50代を中心に身近な人を介護する機会をもつ人が増え、現場でないとわからない悩みを知ることになる。

介護を体験すると直面するのが、排せつの介助の悩み。

よく見て拭かないと炎症を起こしたり、感染をまねくことがある。

回数が多くなる場面だけに、介護する側、される側も頻繁に悩まされることになる。

では、実際どのように脱毛しているのか?

「VIO脱毛」のVは足の付け根に近いVの形をしている外側の部分。Iは中心部分で、Oは肛門のまわりの部分のことを指す。実際にはIとOの部分を脱毛するケースが多いとのこと。施術は毛周期に合わせて5~6回くらいで完了。費用は部位により1回1万円くらいから。1回の施術時間は30分程度だそう。

将来自分が介護を受けることになった場合、少しでも他人への迷惑を減らしたいと考えるだろう。しかし、このこともまだ身近に介護を要する人がいなければ気づかないことでもある。時代とともに美容のあり方や美容の役割もひとつではなくなる。

かならず直面する身近な人や自分の介護について、想像してみることも必要だろう。

介護脱毛が常識・マナー化し、それが浸透するのはそう遠くないかもしれない。