前回にひきつづき、介護従事者のメンテナンスの重要性についてお伝えしたいと思います。
介護といえば、介護を受ける方が中心に考えられがちです。間違ってはいませんが、健康に日常生活を送っている人でも体調が悪い日もあれば、疲れている日もあり、それが心の状態に影響することもあります。
そう考えると、介護をするご家族やそのご家族と日常生活で関わりのある方も決していつも同じコンディションを保てるわけではなく、「こうしてあげたいけどできない」や、「いつもこうしてあげているのに今日は体が動かない」という日もあるでしょう。当社団法人の顧問の大井裕子先生の「暮らしの中の看取り講座」内で受講者同士でディスカッションをする場があるのですが、「ケアは誰のためか」という議論になった際、「介護する側にも必要」という意見が出ました。この視点はとても重要なことだと大井先生も仰っていました。
もし、介護する人が倒れてしまったら?心を病んでしまったら?
介護を通じた関係性は親子であったり兄弟であったり、お互いが大切な人同士なことも多いはず。
―――まだ介護の場に触れていない方も一度想像してみてください。
自分の大好きなお母さまを介護しているとします。
最大限の愛情を持ってやれることは全てやってあげたいと思うでしょう。
そして、自由が効かない相手に対して、常に観察をして早く気づいてあげて、心地よく毎日を過ごさせてあげたいと思うでしょう。
しかし、それは毎日で、いつまで続くのかわかりません。
無理をして毎日続けていたらどうなるでしょう?思ってもいないようなキツイ言葉を浴びせてしまうかもしれません。倒れてしまうかもしれません。
その時、介護される側、お母さまはどう感じるでしょう?
「私のせいでこんなに無理をさせてしまった」「手がかからないようにしよう」と我慢をしてしまうこともあるでしょう。身内だからこそ言えなくなることに直面することになります。
私たちのまわりには“予防医療”がとても身近にあります。インフルエンザの予防接種などがそれです。病気にかからないように事前に手を打つことを私たちはしてきました。
いつも良いコンディションで大切な人に向き合えるよう、予防として自分をケアすることが大切だと、我々ソーシャルケアビューティーは考えます。「エステに行って体に触れられてホッとした」「体をほぐしてもらうことでよく眠れるようになった」メンタル、フィジカル共に美容の力は超高齢化社会を迎えた我が国には必要不可欠な場に今後ますますなっていくとわたしたちは考えます。